コンセルトヘボウ管のページ

1960年代の録音

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CDジャケット 1961年2月にコンセルトヘボウ管弦楽団はデッカに登場しています。ステレオでは初めてです。アナトゥール・フィストゥラーリがチャイコフスキー「白鳥の湖」、そしてゲオルグ・ショルティがマーラーの交響曲第4番を録音。後者の録音はショルティのお気に入りだったといわれていたもので、事実彼が最後までシカゴ響で再録音しなかったマーラーがこの曲でした。1963年にはヨッフムがマーラー「大地の歌」をDGに録音しています。このへんの事情もよくわかりません。

 その間もフィリップスでは首席となったヨッフムとハイティンクを中心に着々と録音が重ねられ、1962年にはマーラー、1963年にはブルックナーの交響曲全集録音がハイティンクの指揮によって開始されます。当初から全集化が意図されていたのかどうかは不明ですが、共に足かけ10年をかけて完成された両全集は、当時としては画期的なプロジェクトでした。またハイティンクはクラウディCDジャケットオ・アラウと組み、1964年にベートーヴェン、1969年にブラームスのピアノ協奏曲全集を完成させています。ハイティンクの録音には「全集」ものが多いとよく言われますが、これは本人の意向というよりは、フィリップスの方針だったのかもしれません。それだけ彼には期待がかけられていたのでしょう。

 ピエール・モントゥー、イーゴリ・マルケヴィッチ、セルらが登場した60年代中盤を経て、1967年から1969年にはヨッフムがベートーヴェンの交響曲全集を完成しています。すでに首席の地位を離れていたヨッフムですが、さすがにベートーヴェン全集ともなればまだハイティンクには任せられないというフィリップスの意向があったのでしょうか。このため、1970年代に制作されたハイティンク指揮の全集には、当時のもう一つの手兵だったロンドン・フィルが起用されたのでした。

CDジャケット また1969年には珍しくライヴ録音がなされています。ハイティンクの指揮で武満徹とメシアンという、これも珍しい現代もの。ライヴといえば有名なヨッフム指揮のブルックナー交響曲第5番がありますが、1964年のこの録音はコンセルトヘボウではなくドイツの教会におけるライヴであり、これまた珍しいものです。


(An die MusikクラシックCD試聴記)