「コンセルトヘボウのシャイー」No.28
マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

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CDジャケット

1)ディーペンブロック:大いなる沈黙の中で
2)マーラー:交響曲第7番「夜の歌」

ホーカン・ハーゲゴード :バリトン (1)

録音:1994.2(1);1994.4(2) コンセルトヘボウ
P:アンドルー・コーナル
E:スタンリー・グッドール(1)/ジョン・ダンカーリー(2)
国内盤初出:1995.5.25. (ポリドール POCL9644-5)
International release: March 1995/Catalogue number:Decca 444446

マーラーの方は第6番と同様に85分弱を要し、CD一枚には収録不可能。終楽章では、マーラーの意図を実現すべくメンゲルベルクが自ら設計した巨大なティンパニを再構築して使用したとのこと。ディーペンブロックの曲は1906年にメンゲルベルクが初演したもので、オーケストラの役割が大きい単一楽章の歌曲。CDライナーノートには、メンゲルベルク、マーラー、ディーペンブロックの三人が並んで歩いている写真が掲載されている。

(2003年1月7日、青木さん)


 <夜の歌>は私の一番好きなマーラー作品。それだけにコメントを述べるとなるとやや辛口になってしまう。このシャイーの<夜の歌>は明るすぎる。マーラーのほかの作品ならば明るくしてもそれはそれでアプローチとして成り立つ。しかし、<夜の歌>はそうはいかない。暗く重苦しく始まり、グロテスクなどこか奇妙な音楽を経て、最後に突然あっけらかんと明るくなる。だからこそこの曲は難しく、奥が深い。多くの指揮者が中途半端な演奏をするなかで、シャイーは徹頭徹尾明るい<夜の歌>を貫く。これは希有な存在だと思う。

このCDの最大の聴き所は2楽章。この楽章をここまできれいに演奏したCDは他にない。緩急の変化がうまく決まっている。そして色気のある木管楽器。素晴らしいです。5楽章のメンゲルベルクティンパニも聴き所のひとつです。ただ、バーンスタインやティルソン=トーマスに比べると迫力がないし、クレンペラーやテンシュテットに比べると内容が薄く感じてしまうのも事実。

(2003年1月29日、Fosterさん)