An die Musik 開設9周年記念 「大作曲家の交響曲第9番を聴く」

ドヴォルザーク篇

文:吉田さん

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 父がクラシック音楽を好きで、いろいろなレコード、その頃は主に78回転盤を沢山持っておりましたので、私も小学校の頃から一緒に良く聴いていました。其の中にはドヴォルザークの<新世界>もありましたが、今ではそれが何処のオーケストラで誰の指揮であったかは、覚えておりません。唯堅い表紙に綺麗な絵がついているアルバムだったと思います。

 交響曲9番の特集でドヴォルザークの処を見ましたら、偶然にも私が持っている同じCDについて伊東さんが書いていらっしゃるので、私の選択もまんざらではなかったと大変嬉しく思いました。

CDジャケット

ドヴォルザーク
交響曲第9番 ホ短調 作品95「新世界から」
フリッチャイ指揮ベルリンフィル
録音:1959年10月、ベルリン、イエス・キリスト教会
DG(輸入盤 463 650-2)

 フェレンツ=フリッチャイが早くに亡くなってしまって残念だった、もっと長命であったら、どんなにか素晴らしい演奏を残してくれただろうにという記事を読んで、私もCDで良く聴いてみようと思って買って来たのがこのCDなのです。始まりは少しゆっくりめですが、期待していた様に力強い演奏で、カラヤンよりもヴォリュームを下げて聴かないと御近所迷惑になりはしないかと思うような管楽器の響きです。  

CDジャケット

バーンスタイン指揮ニューヨークフィル
録音:1962年4月16日、ニューヨーク、マンハッタンセンター
SONY(輸入盤 SBK 60563)

 このCDは2004年に帰国した時、あまりクラシックを聴かない姪に、私の大好きな曲だから時々聴いてと言ってプレセントしてしまって、現在手許に無いのです。ジャケットの写真はイギリスのチャールズ王子が描いた水彩の風景画が付いており、裏にはチャールズ王子の写真もついていました(注:写真は伊東所有のCD)。ソニーからこれが発売されたのは、1990年代でしょうね。私がこれを選んだのも、この曲をアメリカ人指揮者のバーンスタインはどう解釈して表現しているだろうかという事に興味があったからです。また同じCDを買って来ようと思っています。

CDジャケット

カラヤン指揮ベルリンフィル
録音:1977年1月2-3日、ベルリン、フィルハーモニー
EMI(国内盤 TOCE-59015)

 この曲は、私も暗記するぐらいよく聴いていて大好きな曲です。中学の頃には国語の時間にクラーク先生の<少年よ大志を持て>が教科書にあって、アメリカの開拓精神を教えられました。私は父の仕事の関係で北海道小樽市で生まれ、写真を見ると本土とは全く異なったアメリカ風の二階建ての家に住んでいたのです。男性の方はあまり覚えていらっしゃらないかもしれませんが、私達は高校生の頃<若草物語>を読み英語の教科書にも抜粋があって英語で暗記もしたり。その後アメリカで映画化された<若草物語>(マーガレット=オブライエン、エリザベス=テーラー、オリヴィア=デ=ハヴィランド、ジューン=アリソンの出ている第一回目の映画化)を見ました。その時バックに流れていたのが、<新世界交響曲>のラルゴだったのです。これもこの曲を思い出深いものにしてくれたのだと思います。

 オーケストレーションの点からも、各楽器のリレーによってそれぞれの持つ美しさを充分に聴かせてくれるのも嬉しい事です。ですから音楽教育にもとても良い教材になると思います。

 もう一言最後に付け加えますと、私は気がめいっている時には”音楽セラピー”が一番効き目があると思って実行しているのです。私の方法は自分が空でも良く知っている曲、特に交響曲がいいのですが、2ー3枚のCDをかけて曲と一緒に自分でも声を出して歌い続けるのです。終わりの頃には、頭もスッキリ、気分も回復します。その2ー3曲の一枚がこの<新世界>です。

 

(2007年12月11日、An die MusikクラシックCD試聴記)