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2002年10月

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CD10月23日:今度はオーチャードへ

今晩は渋谷のオーチャードホールに行って来ました。ブーレーズ指揮ロンドン響の演奏会です。21日のコンサートでブーレーズにはもう期待できないかな、などと思っていたのですが、今日は非常に面白い演奏が聴けてよかったです。

プログラムは前半にバルトークの「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」、後半にマーラーの交響曲第5番という豪華なものでした。

バルトークはロンドン響の弦楽セクションの繊細さに感嘆。先鋭さは感じられず、それこそ弱音の美しさを追求したような演奏でした。これは○。そのままCDにできそうな演奏でした。

さらに、後半のマーラーは超娯楽大作でした。交響曲第5番は一種のショウ・ピースだと私は思うのですが、ブーレーズはかなりあっけらかんとその路線で攻めてくれたと思います。オケの鳴り方が一昨日と明らかに違います。最も際立っていたのはホルンです。首席奏者の名前が分からないのですが、バリバリ吹くというのを通り越して、轟くような音で強力に吹きますね。もうすごいのなんのって! あのようなホルンの音色は私の趣味としてはあまり好きにはなれないのですが、オケ全体を完全に睥睨するような猛烈さなので、それだけで楽しめますね。第3楽章最後でのホルンセクションによるパワフルな唸りを聴かされた私は思わず拍手しそうになってしまいました。もちろん誰も拍手はしませんでしたが。

やはりロンドン響はうまいですね。ラッパがちょっとミスをしましたが、驚くべき高性能・高出力オケです。生で聴くオーケストラの面白さを直接に味わえたような気がします。難しそうで長い曲をいとも簡単そうに、ストレートに楽しく聴かせるのはプロとしての技量の高さを示すものです。あのようなあっけらかんとした演奏を70年代のブーレーズがしたとは考えられませんが、今のブーレーズはやってくれるんですねえ。理屈抜きに楽しいコンサートでした。

ところで、21日のコンサートでも今日のコンサートでもメインプログラムが終わると、会場は違うのに全く同じ声でフライング気味のブラボーが! 21日は2階あるいは3階の舞台に向かって右手、今日は2階中央あたりから聞こえてきました。ロンドン響が雇ったブラボー屋さんなのでしょうか?


CD10月21日:コンサートシーズン到来! ということで、今晩は上野の東京文化会館まで行って来ました。ブーレーズ指揮ロンドン響の来日公演です。曲目はブーレーズの「弦楽のための本」、バルトークのピアノ協奏曲第1番、ストラヴィンスキーの「火の鳥」全曲でした。アンコールはストラヴィンスキーの「花火」。バルトークのピアノはポリーニです。ポリーニ・プロジェクトと銘打った大規模なポリーニ連続演奏会の一環で、それも初日に当たっていたようでした。

ポリーニは遠くから見るとブーレーズと見分けがつきませんね(^^ゞ。かなり老けて白くなってきました。しかし、ピアノは余裕綽々です。バルトークを涼しい顔であっさり弾いてのけたように見受けられました。日本語として成り立つ表現かどうか不安なのですが、ポリーニは「とてもソフトにガンガンと」ピアノを弾いていたのです(私はボキャ貧なのでこんなふうにしか表現できません。ごめんなさい)。白くはなっても、ポリーニはやはり強烈な存在感があるんですねえ。

メインのストラヴィンスキーですが、これは期待通りというべきか、予想どおりというべきか。ロンドン響の見事なアンサンブルを楽しめたわけですが、それ以上ではありませんでした。特にロンドン響は弱音の美しさが際立っていたのですが・・・・。

バルトークの後でもストラヴィンスキーの後でも盛大な拍手が起こりました。でも、あえて私の仮説を書いてしまいますが、ブーレーズさんはもしかしたら音楽をさほど好きではないのかもしれません。確かに生業にはしているのですが、どうなのかしら? 「火の鳥」を聴いていて、立派な演奏で、隙もなかったのにそんなことを考えてしまった私でした。大枚はたいて出かけたのに、そんなことを考えてしまうなんて、実にもったいないものです。また反省です。


CD10月20日:「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」のコーナーに「ホルショフスキー・カザルス・ホール・ライヴ’87を聴く」を追加しました。文はとしちゃんさんです。原稿ありがとうございました。また、アップするのが遅くなり、大変申し訳ありませんでした。

昨日はオーディオに詳しい読者がお二人、我が家にお越しになりました。何と、私の部屋用にスピーカーを作ってくれたとのこと! ひぇぇぇぇ! こんなできの悪いWebマスターのためにトンテンカンテン、スピーカーユニットから材料を集め、丁寧にスピーカーを作って下さったのであります。ありがたいです。お二人に感謝するのみであります<(_ _)>。さほど大きくはないスピーカーですが、そのスピーカーは立派な鳴り方をします。クラシック音楽に精通し、さらに本格的オーディオマニアであるお二人が作ったスピーカーらしく、恐ろしいほどスピーカーの色づけのない音がします。そのうちに写真入りでご紹介したいと思いますが、今日は一日中そのスピーカーとB&Wのスピーカーを聴き較べてしまいました。何と1日の短いことでしょうか。おっと、スピーカーに名前を付けなくては....。「JY-01」とかいった名前を付けるとかっこいいかな?


(An die MusikクラシックCD試聴記)