ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2008年5月

アーカイブのインデックス ホームページ WHAT'S NEW


CD2008年5月24日(土):フィラデルフィア管弦楽団

 今日はサントリーホールでエッシェンバッハ指揮フィラデルフィア管弦楽団のコンサートを聴いてきました。演目はチャイコフスキーのバイオリン協奏曲(バイオリン独奏:五嶋みどり)とショスタコーヴィチの交響曲第5番でした。

 恥ずかしながらフィラデルフィア管を生で聴くのは初めてです(多分)。私はアメリカのオーケストラに「技術的に正確で、大きな音を出す。しかしそれだけ」という妙な先入観をもっていました。そのためかアメリカのオーケストラに対して特別な思い入れがなかったわけです。しかし、実際に聴いてみると私の認識不足だと判明しました。随分馬鹿げた先入観をもっていたものです。

 フィラデルフィア管は全く魅惑的です。技術的に優れているだけではなく、音色が今まで聴いたどのオーケストラとも違っていて、それが非現実的な音の世界を作り上げています。どういう演奏家を集めるとあんな馥郁たる響きが作れるのでしょうか? 弦楽器セクションを聴いてまず驚愕。チャイコフスキーの冒頭から音がふわっと出てきます。弦だけでも大変な美音です。木管楽器はソロではホール全体にしみ通るような音を聴かせる一方、合奏部分では非常によく溶け合っています。金管楽器は要所で突出しますが、それが常態なのではなく、それこそエレガントな柔らかい響きを常に発しています。エッシェンバッハの音楽作りもあるのでしょうが、今日のフィラデルフィア管の音量はかなり抑えられていました。その分、魅惑のアンサンブルというか、オーケストラの音色を耳をそばだて、集中して楽しめました。「正確で大きな音がする」なんて、単に無知蒙昧だったのですね。もっと若い頃に実演に接していれば私は追っかけになっていたかもしれません。そのくらいの衝撃を受けました。

 ところで、エッシェンバッハもうなり声やら何やら発しますね。ショスタコーヴィチの第5番第3楽章では最弱音でオーケストラが演奏していて、聴衆も神経をとぎすませて聴き入っているのに「シューゥゥゥゥゥゥ・・・」とやっています。せっかくの美音が台無しだよ、と私は思ったのですが、指揮者が出す音は騒音とは見なされておらず、むしろ音楽の一部であるかのように思われているような気がします。私はそれがとても不思議なのですが、皆さんはどう感じていますか。

 

CD2008年5月11日(日):ドビュッシー

 松本さんの「サンソン・フランソワのドビュッシーを聴く」に「第2回 前奏曲集第1巻−第1曲〜第6曲−を聴く」を追加しました。これを読むと、ページごとプリントしてCDをかけたくなりますね。


 今日はさいたま芸術劇場でゲルバーのピアノ・リサイタルを聴いてきました。オール・ベートーヴェン・プロで、ピアノソナタ第8番「悲愴」、第21番「ワルトシュタイン」、第17番「テンペスト」、第23番「熱情」が演奏されました。「ワルトシュタイン」が目当てだったのですが、豪華なプログラムです。

 ゲルバーの演奏を聴くのは17年ぶりです。なんとなく昔の雰囲気を覚えてはいましたが、そんな古い記憶などあてにならないものですね。今日はゲルバーのすさまじい演奏にびっくりして帰宅しました。全く無骨で重厚なベートーヴェンで、テンポも遅めです。さらにすごいのは音量です。「悲愴」が始まった瞬間、脳天を直撃されたような気分になりました。「熱情」ではピアノがグワングワン鳴っていました。あそこまで重厚なベートーヴェンだと評価が分かれてしまうでしょうが、私は2時間たっぷり楽しめました。CDでは味わえない強烈な体験です。

 

CD2008年5月10日(土):カラヤンのオペラ

 ゆきのじょうさんの不定期連載「わたしのカラヤン」に「第5章 夢の轍 実演されなかった二つのオペラ」を追加しました。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。今回も大作であります。

 

CD2008年5月6日(火):古い音楽?

 ゆきのじょうさんの「わが生活と音楽より」に「古い音楽をいろいろ聴いてみました」を追加しました。ゆきのじょうさん、原稿ありがとうございました。

 すごいですね。何とテンプル騎士団にまで遡ります。

 

CD2008年5月3日(土):金聖響さん

 CD試聴記を久々に更新、「金聖響さんの「田園」を聴く」を追加しました。書いた後に気になることが・・・。この書き方を金聖響さんはどう思うのでしょうか。

 

(An die MusikクラシックCD試聴記)