ドレスデン資料集め

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資料集め(その1)

 

 「シュターツカペレ・ドレスデンのページ」を立ち上げるに際して、私には情報不足という悩みがありました。カペレの歴史や、現在についてさほど詳しいわけではなかったからです。手許にあるのは何冊かのドイツ語の資料で、それも数年前のものです。これではお話になりません。まず直近のYearbook(Yahrbuch)だけでも入手しなければならないと思った私は、早速ご本家”Saechsische Staatsoper Dresden Semper Oper”にアクセスし、Eメールを送付しました。

 が、待てど暮らせど、何の返事もありません。「外国人だし、煩わしいから無視されたに違いない!」と思った私は、今度は「どうか無視しないで下さい!」と付け加えて、またEメールを送りました。すると、また無視されました(T_T)。「三度目の正直」とばかりにもう一度哀願したところ、今度はきちんとした返事が来ました。しかもEメールによる返事ではなく、手紙が来てしまいました(^O^)。手紙によれば、「Yearbookは送ります。でもお金は指定の口座に振り込んで下さいね」とのことです。やっとのことで得た朗報に私はすっかり安心しました。3ヶ月以上待った甲斐がありました。が、待てど暮らせど、「Yearbook」は届きません(T_T)。

 「ううう、やっぱりドイツ人は上司が見ていない仕事はやってくれないな」と私は嘆いてしまいました。すると、さらに1ヶ月以上したら、どーんと厚手の荷物がドイツから届きました。見ると、例の「Yearbook」と共に、「カペレディスコグラフィー」、「カペレ450周年記念誌」、「450周年記念団員ポートレート集」、「98年ゼンパー・オパー上演予定表」などが一緒でした。これはすごい!頼んでもいないのに、よくこれだけのものを送ってくれたものです。「熱狂的なファンです」と書いたのが効いたのでしょうか?一転、「やはりドイツ人は親切だなあ」と感心してしまいました。しかし、代金はドイツ本国にマルク建てで振り込まねばなりません。送り状はドイツ語で書いてありましたが、「手数料は自分で払ってね!」という文言だけは、しっかり英語で書いてあったのには苦笑させられました。しかも、そこだけ大きなフォントでした。

 それはともかく、代金です。日本円に換算すると、いくらかかったと思います?合計で6,399円です。うち、送金手数料は4,500円。本体部分は送料を含めても、わずか1,899円です(以上、99年4月14日のレート。1DM=66.64円)。何となく馬鹿馬鹿しくなりますが、あれだけの資料なら高くはないでしょう。ところが、ドイツマルクでは以下の値段なのです。

  • Yearbook・・・・無料
  • カペレディスコグラフィー・・・・5マルク
  • カペレ450周年記念誌(厚手の豪華本。写真がふんだんに盛り込まれ、ブロムシュテットやデイビス、シノーポリへの充実したインタビュー記事がある。ただし全文ドイツ語)・・・・5マルク!
  • 450周年記念団員ポートレート集(白黒写真集だが、大変貴重)・・・・3.5マルク
  • 98年ゼンパー・オパー上演予定表・・・・無料

 さすが本国では税金が投入されているだけに安い!しっかりとした本ばかりなのに、大したものです。日本円では値が張りましたが、貴重な資料を集めることができました。

 

当団ディスコグラフィー

 

 私が「シュターツカペレ・ドレスデンのページ」を作成するのによく使っているカペレディスコグラフィー(上写真ご参照)は、もちろん、この時に送付してもらったものです。表紙にはルカ教会における録音風景が載っていますね。指揮者は小さな左の画像ではよく分からないかもしれませんが、シノーポリであります。対向配置による演奏をしているのが一目瞭然?です。

 ともあれ、カペレのページを立ち上げる前に半年以上かかって集めた上記資料は大変貴重であります。うーん、長い道のりでありました。

 

資料集め(その2)

 

 カペレの資料でも市販されているものがあるのでご紹介します。
楽譜の出版で有名なベーレンライター社(Baerenreiter)から出ている"450 Jahre Saechsische Staatskapelle Dresden"です。

 これはハードカバーのなかなか立派な本で、カペレ450年の歴史を美麗な図、写真を使いながら丁寧に解説した貴重な本であります。この本を読んでおりますと、本当に栄光の歴史であったことがよく分かります。歴史を語る本ですから、必ずしも直近のカペレについて詳述しているわけではありません。例えば、ダム先生の写真はあちこちに見えますが、"An die Musik"のように特集を組んではいません。ただ、公開されている写真には、最近のカペレ来日時のものもあり、笑わせてくれます。著作権の問題もありますので、ここだけにしておきますが(本当にここだけですよ)、こんなものもありました。どう見ても日本の風景ですよね?

移動の途中、疲れ果ててうなだれる団員。

移動の途中で疲れ果て、うなだれる団員。売り子のお姉さんだけはにっこり笑ってはい、ポーズ。

ホテルの廊下で練習する団員。

廊下の壁に楽譜を貼り付け練習する団員。おそらくフロア貸し切りだと思うが、もし他のお客さんが居たら、びっくりしただろうなあ。こんなもったいないことをしてはいけません。

 かたや新幹線の中。かたや宿泊先のホテルでの練習であります。まさかドイツ人が浴衣を日常的に着ているわけはありませんから、日本国内のホテルの中でありましょう。

 ベーレンライターがこの本をどうして出版したのかよく分かりませんが、本当に貴重です。私もゼンパー・オパー当局が発行する資料以外ではこの本以外、めぼしい資料には巡り会っていません(他にもめぼしいものがあったら是非ご教授下さい)。

 なお、文章はドイツ語と英語が併記されていますのでドイツ語が読めなくても大丈夫です。英語の表現も難しくありません。これも安心ですね。問題は入手方法です。日本国内で流通している本だとは思えませんから、書籍のインターネット通販などを利用すれば買えるでしょう。私はどうやって入手したかといいますと、ベーレンライターのホームページにアクセスし、直接Eメールを書き、送付してもらいました。ベーレンライターはさすがに進んでいて、クレジットカードによる支払いも可能です。値段は78マルク。99年12月13日現在1マルク=54円ですから、本体はおよそ4,212円です。さらに送料を含めた手数料が38マルク(同2,052円)です。合計6,264円になりますね。安い買い物ではないかもしれませんが、タイトルが示すとおり、450周年記念の本ですから、在庫がはければ絶版になりかねません。カペレの熱狂的ファンは今のうちに入手しておいた方がいいかもしれません。

 

1999年11月10日、1999年12月14日、An die MusikクラシックCD試聴記