「5つの銅貨」

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CDジャケット

ラジオの時代
ヴォーカル:タイムファイブ
録音:1993年
DENON(国内盤 COCA-11171/2

 「5つの銅貨(The Five Pennies)」という映画があるのをご存知でしょうか。1959年制作の古いアメリカ映画で、レッド・ニコルズという実在のジャズ演奏家(コルネット奏者)を主人公にしたものです。レッド・ニコルズという人は今ではすっかり忘れ去られているのですが、彼のバンド、ファイブ・ペニーズにはグレン・ミラーを始め、後にジャズ界で名をなした人たちがひしめいていました。

 映画にはあの人気者サッチモ(ルイ・アームストロング)も登場します。本物であります! もちろん、サッチモがこの映画で重要な役割を果たしていることはいうまでもありません。ジャズ・バーでレッド・ニコルズと目もくらむような即興演奏をやってのけたりします。その他、レッド・ニコルズの子供とかわいらしく歌い始めたり、その存在感は主人公を圧倒します。

 さて、サッチモがレッド・ニコルズの子供と歌う曲、それが「5つの銅貨」です。これは何でもないようでいて、大変な名曲です。優れた曲というのはえてしてそういうもので、シンプルさが最大の魅力となります。

 映画は、女房がウルウル涙を流す感動的なシーンで終わるのですが、それは見てのお楽しみということにして、音楽の話を続けます(映画はビデオ屋さんにもあります。週末にでもご家族で見ることをお勧めします)。

 私はこの「5つの銅貨」を何とかしてCDでも聴きたいと考え、やっとそれを捜し当てました。サントラ盤ではありません。タイム・ファイブという5人組スーパー・ヴォーカルグループによる演奏です。

 タイム・ファイブは紅白歌合戦にも登場したことがあるのでご存知の方も多いでしょう。ア・カペラ(無伴奏)でアメリカのジャズ音楽祭に参加して大評判を博したともいいます。そんな彼らが録音したCD、これは2枚組で4,600円もするのですが、我が家ではすっかり元を取るほど聴いてしまいました。お茶をするときも聴き、お酒を飲むときも聴き、ぼけーっとしているときにも聴いています。特に女房はこのCDなしには生きていけません。

 「ラジオの時代」とは1950年代をさしています。ラジオからアメリカのポップスが流れてきた50年代。その時代の曲を「これでもか、これでもか」と詰め込んだCDがこれです。今聴くと、とても懐かしく感じられる曲ばかりです。私は1961年生まれですので、むろん全曲を知る由もありません。それでも古き良き時代が目の前に現れてくるような気がして期間を忘れて聴いてしまうのです。さすがに義母は「5つの銅貨」をはじめ、「ラジオの時代」に入っている曲を詳しく知っていました。

 肝心の「5つの銅貨」は「Lullabye In Ragtime」「Good Night,Sleep Tight」「The Five Pennies」の3曲を重ねた形で歌われています。

 クラシック音楽だけが音楽ではありません。こうした良質な音楽もあります。たまにはご家族と映画を見て、こんなCDでもかけてみましょう。いつも壮大・深刻なクラシック音楽ばかりを聴いているお父さんならご家族に喜ばれること間違いありません。

 なお、CD収録曲を以下に列挙します。ご参考に。

DISC1

  • ムーンライト・セレナーデ
  • ラウンド・ミッドナイト
  • 夜も昼も(店がハネて)
  • 時の過ぎゆくままに
  • イースター・パレード
  • ザッツ・エンターテインメント
  • 虹の彼方に
  • ニューヨーク・ニューヨーク
  • 雨に唄えば
  • ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル
  • センチメンタル・ジャーニー
  • テネシー・ワルツ
  • 遥かなる山の呼び声
  • バイア・コン・リオス
  • 星を見つめないで
  • スィート・アンド・ジェントル
  • パパはマンボがお好き
  • 里の秋
  • ハイ・ホー
  • 四月の雨
  • ジッパ・ディー・ドゥー・ダー
  • ビビディ・バビディ・ブー
  • いつか王子様が
  • デビー・クロケットの唄
  • ソウ・ディス・イズ・ラヴ
  • ラ・ラ・ルー
  • 有楽町で逢いましょう
  • アイル・ネヴァー・スマイル・アゲイン
  • A列車で行こう
  • ソフィスティケイテッド・レディ
  • ムード・インディゴ
  • A列車で行こう(Replay)

DISC2

  • ハーバー・ライト
  • 誰かが私を愛してる
  • バナナ・ボート・ソング
  • さらばジャマイカ
  • マチルダ・マチルダ
  • トム・ドゥーリー
  • ロック・アラウンド・ザ・クロック
  • 慕情
  • 16トン
  • オンリー・ユー
  • テキサスの黄色いばら
  • ラヴ・ミー・テンダー
  • プリテンド
  • ラグタイムの子守歌
  • ぐっすりおやすみ
  • 5つの銅貨
  • イン・ザ・ムード
  • ムーンライト・セレナーデ
  • タキシード・ジャンクション
  • 真珠の首飾り
  • チャタヌガ・チュー・チュー
  • ドリーム
  • グッドナイト・フェローズ
  • ムーンライト・セレナーデ
  • 星に願いを
 

1999年4月23日、An die MusikクラシックCD試聴記