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2000年5月

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CD5月31日:「音楽史」とは?

音楽之友社の本(代表はレコ芸)を読んでおりますと、クラシック音楽のジャンルに「音楽史」というものがあることに気がつきます。私がレコ芸を読み始めたのは高校に入ってからですが、以来20年以上この言葉に親しんできました。が、この「音楽史」という言葉、何となく辛気くさくありませんか? 「・・・史」というと、クラシック音楽の中でも特に古くて、カビが生え、埃をかぶっている音楽を想像してしまいます。音楽之友社で発行している各種名盤案内でも「音楽史」は一番最後に登場しますね。後回しにされたという感じです。多分「音楽史」は英語でいう「Early Music」のことを指しているのでしょうが、日本語の方が悪い印象を受けます。そんなことを考えるのはもしかすると私だけで、一般のリスナーは字面になど惑わされず、「音楽史」というジャンルを心ゆくまで楽しんでいるのかもしれません。ただ、私は単細胞ですから、「音楽史」に属する音楽は特殊で、よっぽどの物好きでもなければ聴かないものだと本気で信じていた頃があります。恥ずかしい話ですが、本当です(^^ゞ。

しかし、このジャンルの歴史が非常に長く、豊饒の響きを持つ音楽をほぼ無尽蔵に有していることを知ると、偏見は驚きに変わります。辛気くさいどころか、現代にまで残って聴き継がれている曲は、どれも傑作中の傑作ばかりです。確かに、たまにはほこり臭いCDに出くわしたりするのですが(^^ゞ、そういう場合はまず間違いなく演奏に問題があると私は考えています。楽しいCDの例として、少し古い時代の音楽をひとつご紹介しましょう。日本でいえば、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康らが活躍していた戦国時代末期の音楽です(◎-◎)。こんな曲はどうでしょうか。

CDジャケットアンドレア・ガブリエリ
戦いのアリア
ジョヴァンニ・ガブリエリ
8声のソナタ、ほか
フェネル指揮イーストマン・ウィンド・アンサンブル
録音:1960年前後
MERCURY(国内盤 PHCP-10060)

これはイタリアは水の都ベネチアで活躍したアンドレア・ガブリエリ(1510-1586年)とその甥ジョヴァンニ・ガブリエリ(1553/56-1612年)の音楽を集めた楽しい1枚です。「古い時代の音楽」といってしまうと、いかにもかび臭そうな感じがします。が、こんな曲集を聴かせられると、その輝かしさに自分の不勉強さを恥じてしまいますね。例えば、アンドレア・ガブリエリの「戦いのアリア」は約14分の大曲ですが、実に伸びやかな音楽です。今聴いてもステレオ効果抜群の左右配置のブラスバンドが、様々な音色で聴き手を楽しませてくれます。この音楽のすばらしさは、「戦いのアリア」という華々しいタイトルを付けられていながら、虚勢を張った、ただうるさいだけの音楽に堕することなく、何度聴き直してもその構成、旋律、音色の変化の妙を楽しめることにあると思います。これは本当に輝かしい音楽です。聴き手に何の情報も与えずにこのCDを聴かせたら、こんな古い時代の音楽だと正確に答えられない人がほとんどではないでしょうか。こうした優れた音楽が、「音楽史」という特殊なジャンルに閉じこめられているとすれば、とてももったいないと思いませんか?管楽器の神様フェネルが腕利きのアンサンブルでこうした曲を録音してくれたのはとても嬉しいことです。MERCURYにしてはやや精彩に欠ける録音ですが、ちゃんとしたステレオ録音ですし、「音楽史」を見直すのにもいいCDでしょう。


CD5月30日:曲名を知りたい! その2

クラシック音楽は奥が深く、私は20年以上聴いているにもかかわらず、いまだに知らない曲ばかりです。私は時代的にもジャンル的にもなるべく幅広く聴こうと努めてきましたが、私が最も好むドイツ・オーストリア系の古典派から後期ロマン派までの音楽がどうしても気になるもので、つい偏った聴き方をしてしまいます。できれば、もっと広く浅く聴きたいものです。しかし、集中的に聴いているはずの古典派、ロマン派の音楽でさえ、一体何%程度の曲を知っているのか、見当もつきません。前にも書きましたが、私はクラシック音楽の奥深さにはまったとき、「何とかクラシック音楽をもっと知りたい、できれば極めたい」と思い、他のジャンルの音楽を聴くことを極力減らす決心をしました(冗談ではなく本気です)。An die MusikのCD試聴記は、その記録なのです。クラシック音楽を知るためには時間や労力もかなりかけています。が、知れば知るほど深みにはまりますね。これでは極めることなどできそうにありません(T_T)。

これほどの深みにはまったのは、気になる曲があったからだと思います。また昔話になりますが、私が中学生の頃、毎週月曜日になると、体育館に全校生徒が集合する全体朝礼というものがありました。体育館には学年毎、クラス毎に入場するのですが、BGMがとても立派な曲でした。子供心にも気持ちを高ぶらせる勇壮な音楽だと感じていました。体育館への入場に使うわけですから、行進曲です。それは大規模な合唱が加わっているためにいっそう立派に感じたものです。私はその曲が何であるのか、ずっと調べ続けました。クラシック音楽を聴き始めの頃は、合唱が入っている壮麗な曲ならベートーヴェンの交響曲第9番「合唱」に違いないと思い、聴いてみましたが、それでもありません。大規模な声楽曲ならマーラーの交響曲第8番かな?とも思いましたが、そうでもありませんでした。方々当たりましたがなかなか分かりません。もしかしたらクラシック音楽ではなかったのだろうか?と一時は思いました。立派な曲だと信じていましたが、子供の頃に聴いた音楽ですから、大した音楽でもないのに、記憶の中でイメージが肥大化しただけなのかと悩んだこともあります。この想い出の曲がワーグナーの歌劇「タンホイザー」のワルトブルク城への入場行進曲、すなわち「大行進曲<歌の殿堂を讃えよう>」であることを知ったのは大学に入ってからでした。声楽が入っているわりには、オペラだと連想できなかったんですね(^^ゞ。やはり買ったばかりのCDを聴いていた私が、子供の頃の想い出のままに壮麗に流れてくる音楽を聴いて欣喜雀躍したことはいうまでもありません。思えば、それが私とワーグナーの因縁の始まりだったわけですが...。

考えてみれば、「あの曲は何だろう、なんてすばらしい曲なんだろう!」という疑問、感嘆が私をクラシック音楽にのめり込ませたのですが、その疑問・感嘆は途切れることがありません。私はやたらと感動するたちですので、よほどの前衛音楽でもなければ楽しめてしまいます。本当にクラシック音楽には困ったものですね。家計を圧迫するために女房さんはいい顔をしませんが、、この病気は死ぬまで直らないかもしれません。


CD5月29日:曲名を知りたい!

「ふと耳にしたあの曲、何という曲なんだろう?」と思った経験は誰にでもあるでしょう。私もあります。それもたくさん。1例を挙げますと、高校生の頃、時々聴いていたNHK-FMのテーマ音楽がそうでした。番組は、何を隠そう、「バロック音楽の楽しみ」です。朝方6時頃に始まる「バロック音楽の楽しみ」は、フルートによる朗々としたテーマ音楽で開始されました。私は一度聴いてからその曲が頭から離れず、何とか曲名を知りたいと思いました。が、私の周囲には誰もその番組を聴いていた人がいなかったため、ずっと分からずじまいでした。おそらくは「バロック音楽の楽しみ」の中で服部幸三さんが説明されたこともあったのだとは思いますが、朝に弱い私ゆえ、そういう場合に限って聞き逃していたのでしょう(私は朝寝坊です)。

私がその曲名を知り得たのは何と社会人になってからでした。ある日偶然買ってきたCDから突然聞こえてきたメロディーに私は思わず飛び上がってしまいました。曲名はヴィヴァルディ作曲「忠実なる羊飼い」第2番ハ長調というのだそうです。

CDジャケットヴィヴァルディ
フルート・ソナタ集作品13「忠実なる羊飼い」
フルート演奏:ランパル
チェンバロ演奏:ラクロワ
録音:1968年?
ERATO(国内盤 RECD-2817)

調べてみると、この曲は別にフルートで演奏しなくても構わないそうです。といいますのは、原題では「ソナタ」と記載されているだけなのです。でも、「バロック音楽の楽しみ」でこの曲を知って以来、フルートの響きが頭から離れなくなっていますから、今さら他の楽器で聴く気になどなれません。他の楽器による録音がどれだけあるのか分かりませんが、これをフルートで演奏したセンスはすばらしいと思います。何といっても、すがすがしい朝にぴったりです。これ以上朝にふさわしい音楽を私は知りません。このCDではランパルの清澄極まりないフルートを聴けますが、朝そのものですね。何度繰り返し聴いても美しく爽やかであります。服部幸三さん、よくぞこんなすばらしい曲をテーマ曲に選んで下さったものです。

私は今もこのCDをかけます。それは決まって朝のひとときを過ごす場合です。日曜日の朝、静かな家の中でこの曲がスピーカーから流れ出しますと、とても幸せな気分になれますね。古い録音のはずなのに、音質も万全で、部屋の中にフルート奏者が舞い込んだような錯覚さえ覚えさせます。クラシック音楽といいますと、いつも壮大なブルックナーやマーラーばかり聴かされている女房さんも、このCDには大満足です。「一体どこにこんなCDを隠していたの?他にもこんなCD隠しているんでしょ!」といわれています。家人の冷たい目に悩んでおられる方には特にお薦めです。さすがにランパルのCDはカタログ落ちしたことがないようですから、もしまだ聴いたことがない方がおられましたら、是非一聴してみて下さい。


CD5月28日:本日は2部構成です。

その1:リンクのページに追加及び改訂をしました。

La Speranza

オペラを中心とした解説・批評のページ。旅行記やコンサート・レビューもある。オペラ関係のホームページが次第に増加しつつあるようで、アクセスして勉強する立場としては嬉しいのだが、あまり刺激を受けると、全てをなげうってヨーロッパに飛びたくなるので危険。

Reiko Watanabe Homepage

「ヴァイオリニスト−チョン・キョンファ&渡辺玲子」のページが改組された。作者は今後は渡辺玲子さんのサポートに注力されるとのこと。ご覧いただければ分かるが、このページには渡辺玲子さんご本人のメールが時々寄せられている。音楽家とファンの心温まる交流が見られる感動のページである。私もそんなページを作りたい!

その2:蒸し暑い一日

今日は湿気が多いまま気温が上昇し、蒸し暑い一日となりました。私は暑がりなので、すぐ冷房を入れたくなるのですが、女房さんが許してくれません。私はCDを聴く場合、音が洩れないようになるべく部屋を閉め切るのですが、こういう暑い日に冷房がないと結構しんどいです。だんだんガマガエルのように脂汗が出てきます(^^ゞ。

しかし、冷房を入れ始めたら入れ始めたで、今度はエアコンの音が気になってくるものです。身勝手な話ですが、冷暖房の音を全く気にせずに、部屋を閉め切ったままCDを聴けるという、CD鑑賞最高の時期がついに過ぎ去ったようですね(T_T)。これからどんどん暑くなってくるのかと思うと、ちょっとげんなりです。何かうまい方法でもないものでしょうか?


CD5月26日:「ニーベルングの指輪」

昨日、<「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」>シリーズを完結しました。昨日書きましたとおり、これはラニクルズ指揮シュターツカペレ・ドレスデンの録音を聴いているうちに思いついた企画でした。ワーグナーばかりですと、家族があまりいい顔をしませんので、間に他の曲を混ぜながら聴いておりましたが、壮大な曲が並ぶので大顰蹙でした。

ところで、この「リング」ですが、やはり大変な曲ですね。管弦楽抜粋盤だけを聴いても十分に壮大です。特に「ジークフリートの葬送行進曲」は、ワーグナーが最も書きたかった場所に違いなく、14時間のオペラの頂点ともいうべきすさまじさです。どの指揮者もそれなりに力を入れて演奏しています。ここだけを聴き比べても興味深いものがありました。

ワーグナーの構想は「ラインの黄金」から始まったわけではなく、「神々の黄昏」から始まったといいます。「神々の黄昏」を書くために、その前段階の話をオペラ化したのが「ラインの黄金」「ワルキューレ」「ジークフリート」だとか。何とも遠大な構想ですね。構想を作っただけではなく、それを実現し、6,000ページにも及ぶという大スコアを書き上げたわけですから、ワーグナーという人はまさに英雄であります。

ワーグナーが最も書きたかった曲だけに、「神々の黄昏」は力作です。中でも「ジークフリートの葬送行進曲」はその最後の部分に現れる曲で、その後にはブリュンヒルデによる終曲「自己犠牲」しかありません。怒濤の音楽であります。救済のモチーフが流れる中で大団円を迎える終曲を聴いていると、「やっと終わった!」という気がするのと同時に、ワーグナーの天才に感銘せざるを得ません。ワーグナーは決してまっとうな人間ではなく、ある意味ではどうしようもなく劣悪な人間だと私は思うのですが、「神々の黄昏」の葬送行進曲から終曲を聴いておりますと、私は感動の極に達します。オペラハウスで「リング」を見た場合、14時間の長大な音楽が約20分に凝縮されるのを肌で感じることができますから、感慨はひとしおです。

「リング」管弦楽曲抜粋盤は、そうした壮大な音楽をたった1枚で、しかも1時間程度で味わってしまおうという、現代ならではの贅沢な企画です。ワーグナーにしてみれば、「なんて不埒なことをしてくれるんだ!」ということになりかねません。が、それを聴いて、ワーグナーのオペラ全曲を聴き始める人は結構多いはずです。私もそうでした。私は学生の頃までオペラがよく分からなかったのですが、今ではオペラはとても身近なものになりました。どれか1枚に興味を持って、何度か聴いて楽しめるようになったら、是非全曲盤をお薦めします。長くて長くて最初は辟易しますが、投げ出さないで下さい。そのうちにワーグナーの旋律が体にしみつき、逃れられなくなることでしょう。そうしたら、あなたはもう立派なドイツ・オペラファンですね(^з^)゛。


CD5月25日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その6 シュターツカペレ・ドレスデン編>を追加しました。このシリーズの最終回です。何とか5月中に終わってよかったです(^^ゞ。もともとKapelleのCDを紹介しようと思い、他のCDを聴き比べしたのが企画の始まりでした。本文にも書きましたが、今回のCDは「めっけもん」でした。国内盤が出ているかどうか不勉強につき知らないのですが、見つけたら、是非聴いてみて下さい。


CD5月24日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その5 コンセルトヘボウ管編>を追加しました。舞台はアメリカからヨーロッパに戻ってきました。次回はいよいよ感動の最終回です。


CD5月23日:ブラヴォー

コンサートに行くと、終演後よく「ブラヴォー!」が飛び交っていますね。おぼろげな記憶を辿りますと、私がクラシック音楽を聴き始めた頃は「ブラヴォー」もあまり一般的ではなかったように思われます。「さすがに日本ではそんな歴史がないし、ちょっと気恥ずかしく感じるからだろう」と私はずっと考えていたのですが、驚くべきことに、最近では「ブラヴォー」を聞かないコンサートは珍しくなってきました(◎-◎)。日本人によるコンサートの楽しみ方も少しずつ変わってきたのですね。

私は小心者ですから、周囲が他人ばかりの中で、「ブラヴォー」を叫ぶのはやはり気恥ずかしく感じます。ただ、そんな私もオペラで熱狂したことがあり、ベルリンで一度だけ「ブラヴォー」を飛ばしたことがあります。でも外国だったからできたのかもしれません。日本では少し抵抗があります。

さて、日本の「ブラヴォー」です。いつもすごいと思います。そもそも第1声はどんな人が発するのでしょう。そのタイミングや声質は素人離れしていると思われてなりません。指揮者の棒が止まるか止まらないかのうちにパーンと入るところなど、それ自体がひとつの芸になっていますね。あれは恐る恐るやるようでは到底できません。曲の終わり方を熟知し、今か今かと待ちかまえて第1声を発するのでしょうが、まさに瞬間芸です。私などいい演奏に接すると、放心状態になりますから、あのような絶妙のタイミングで「ブラヴォー」を飛ばすことなど一生できないでしょう。また声質ですが、よく通る張りのある声が多いようです。声量もなかなかのものです。あれをやられた日には周囲の聴衆も肝をつぶすかもしれません。

この二つを考慮すると、ブラヴォー第1声はその筋の方がご担当しているのではないか、と勘ぐりたくなります。それも声楽の心得のある人がやっているような気さえします。そういえば、EMIの名プロデューサー、ウォルター・レッグは、女房のシュヴァルツコップフ出演のオペラやリサイタルで盛んに「ブラヴォー」を飛ばしていたといいます。それも絶妙のタイミングだったとか。レッグはクラシック音楽に精通し、しかも声楽に詳しい人でしたから、「ブラヴォー屋」として最高の人材だったことでしょう。でもどうなんでしょうか?「ブラヴォー屋さん」は本当にいるんでしょうか。あるいは私の勘ぐりすぎでしょうか? このページの読者の中で、ブラヴォー第1声のご経験のある方、その真偽と、コツなどを教えていただけると嬉しいです。


CD5月22日:北ドイツ放送響

昨晩、サントリーホールにて北ドイツ放送響のコンサートを聴いてきました。指揮者はかつてピアニストとして名を馳せたエッシェンバッハ(今はツルリン頭で一頃の井上道義さん状態です)。演奏曲目は、シューマンの交響曲第3番「ライン」とブラームスの交響曲第1番。重量級のプログラムです。

演奏について言いますと、シューマンは退屈でした。この曲は私のお気に入りでもあるのですが、優等生的な演奏で、面白みがありませんでした。「早く終わってくれないものか」と本当に思いました(T_T)。この曲が終わった直後、1本だけブラボーがありました(当局筋のブラーボー屋か?)。が、拍手は儀礼的でした。聴衆は意外と正直ですから、本当にすばらしいと思っていない限り、熱狂的な拍手は贈らないものです。指揮者のエッシェンバッハはBMGから北ドイツ放送響を指揮したシューマン全集を出しているのですが、これではスタジオ録音の出来が心配になってきますね。

ブラームスもどこといって変わった演奏ではありませんでした。やはり優等生的です。が、こちらは立派な演奏ではありました。第2,第3楽章は大変聴き応えがありました。特に第2楽章は時間が経つのを忘れるほど聴き惚れました。北ドイツ放送響の腕前をこの楽章ほど如実に感じさせた楽章はありません。やはり猛烈なうまさですね。特に木管楽器。首席の方々をはじめ、名手揃いです。フルートやクラリネットはもちろん、オーボエの艶やかさといったら! 一体あのオーボエは何ものでしょうか。ブラームスといえば、木管楽器が聴き所ですが、あまりのうまさに陶然としました。やはりドイツ10指どころか世界屈指のオケかもしれません。木管セクションだけではなく、弦楽器も気味が悪いほど揃ってますね。あまりに揃っているので、残響が空間で減衰していくのが何度も聴き取れました。サントリーホールの音響特性のお陰でもありますが...。

私が北ドイツ放送響を生で聴くのは今回で2回目です。1回目はハンブルクのムジークハレで聴きました。その際も思ったのですが、北ドイツ放送響は音響的にはちょっとこぢんまりしたところがあります。圧倒的な音量で威圧するということがありませんでした。そのかわり繊細で優雅で、洗練されています。重厚さは二の次といったところでしょうか。そういうオケだとすれば、ブラームスの交響曲第1番で、両端楽章より中間の楽章が優れた結果をもたらすのは自明なことです。

ブラームスの終わり方は何とも唐突な感じがしました。コーダに至って突然音量が巨大になりました。ちょっと不自然なほどです。ですが、ブラームスの交響曲の終わり方としてはまことに堂々とした感じになりますね。終演後は声援が飛び交っていました。

私はここまで聴いて「オケは超絶的にうまいが、指揮者には面白味に欠けるな」と思いました。しかし、ここから大変なことが起こったのです。エッシェンバッハはアンコールを3曲も披露してくれたのですが、これが大変な名演揃いでした。エッシェンバッハは、シューマンやブラームス演奏の時に見せていた優等生的なスタイルをかなぐり捨てたらしく、遊びの精神まで交えて聴衆に大サービス。アンコール曲はドヴォルザークのスラブ舞曲第8番、スメタナの「売られた花嫁」序曲、そしてブラームスのハンガリー舞曲第5番を矢継ぎ早に演奏しました。この3曲はどれも生き生きとした生彩に富み、指揮者が楽しみながら演奏していたように思われます。メインプログラムが終わると指揮者も安心するのでしょう、少なからず気合いが入った演奏になっていました。そういう雰囲気は演奏を通して聴衆に伝わります。「売られた花嫁」序曲では熱狂した聴衆が曲が終わらないうちに盛大な拍手を始めました。私もつられそうになりました(^^ゞ。ハンガリー舞曲はもう演歌的!な演奏でした。「何だ、エッシェンバッハ、最初からこうすればよかったのに!」。これが私の不満です。アンコール最後の曲に向かって尻上がりに良くなった面白いコンサートでした。エッシェンバッハは、もしかしたら化けてくれそうな気がします。優等生の仮面など、早く捨て去って思いどおりの演奏をしてほしいなとつくづく思いました。このコンサートに行かれた方、どう思われましたか?


CD5月21日:みずなです。今日は9ヶ月児健診というのに連れて行かれたんだけど、たくさんお話して、遊んでたら、先生に「活発だね」ってほめられたよ。おかあさんは、太りすぎって言われないかと心配してたみたいだけど、背も伸びてたから大丈夫だったみたい。というわけで、「8ヶ月のみずな」をアップしたので、よかったらお立ち寄り下さい。


CD5月19日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その4 シカゴ響編>に番外編としてデトロイト響を追加しました。指揮者は....。


CD5月18日:難問に苦しむ

12月2日のアバド&ベルリンフィルのチケットを取り逃がした女房さん、「さすがウィーンフィルとベルリンフィルは別格ねえ。一体誰がチケットを取れているのかしら」と不思議がっていました。全く同感であります。同時に電話をかけまくっていた女房さんの会社の音楽鑑賞会「ムジークフェライン」メンバーの中で、チケットを取れた人は皆無だったといいますから、ベルリンフィルに対する過熱気味の人気が分かるというものです。

チケットの取りにくさは、実力に比例しているのでしょうか。ある意味ではそうですが、100%がそうではないでしょう。例えば、今週末に行く北ドイツ放送響のチケットは、ついこの前楽々と入手できました。が、このオケは「実力がない」どころか、大変な名人オケであることは周知のとおりです。実力あっての人気なのでしょうが、やはりウィーンフィルとベルリンフィルだけが別格なのです。おそらく「ウィーン、ベルリン」という二大音楽都市名が知名度が高く、そのオケが抜きんでた実力を持っていることが容易に想像されるからこそ、人気が過熱するのでしょう。逆にハンブルクを音楽都市として見なしているのは、ヴァント指揮の北ドイツ放送響を知っている人ばかりでしょうから(^^ゞ、人気は程々ということになるわけです(そうかな?)。

....という話を女房さんとしていたところ、非常に興味深い質問をされました。すなわち、「北ドイツ放送響はドイツの中ではトップ10に入る実力があるか? そもそもドイツのトップ10にはどのオケが入るのか?」。うーん、考えたこともありません(◎-◎)。私は女房さんの質問に答えられませんでした。前半は多分「YES」でしょうが、後半は? 1位がベルリンフィルであるとしても、第2位はどこでしょう。私はシュターツカペレ・ドレスデンのファンですが、オケの*機能だけ*でいえば、他にも優秀なオケがありますから、第2位に入るかどうか自信がありません。ミュンヘンフィルもかなりの水準ですし、バイエルン放送響、フランクフルト放送響、ケルン放送響の腕前に痺れたファンも多いはずです。ドイツでは各都市にきちんとしたオケがあり、そのいずれもが高い水準を示していますから、とても甲乙を簡単につけられません。この質問に答えあぐねていたところ、女房さんはさらに質問を続けます。「では、世界のトップ100にドイツのオケはいくつ入るか?」。ううううう、全く降参であります(T_T)。読者の方々でこの難問に答えられる方、いらっしゃいますか?


CD5月17日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その4 シカゴ響編>を追加しました。指揮者はバレンボイムです。

このシリーズは、ゴールデンウィーク前には終了するはずだったのですが...。何とか5月中には終了させましょうか。次の企画も控えてますし(^^ゞ。


CD5月16日:ペーター・ダム分室をまたまた更新!「ペーター・ダム小話 その1」を追加しました。マイナーな話題ですから、顰蹙かもしれませんね。

ところで、オペラのお話です。アバド・ベルリンフィルが12月上旬に来日し、「トリスタンとイゾルデ」を演奏しますね。何を思ったのか、このところ急に「オペラを見たい!」と騒ぎはじめた女房さんは、会社の音楽鑑賞サークルでこの公演のことを知り、「行く!」と宣言しました。早速予約開始日の5/13は電話をかけまくりました。が、もちろんというべきか、案の定というべきか、電話は全くつながりません(T_T)。せっかくのオペラ熱が急に冷めてしまった模様です。さて、チケットは一体どんな人に渡ったのでしょうか?ベルリンフィルやウィーンフィル来日騒動の際にはいつも首をひねりますね。


CD5月15日:シュターツカペレ・ドレスデンのページの分室、ペーター・ダム分室に「2000年5月の来日リサイタル」を追加しました。ただし、私が書いたものではありません。松本@銀色ホルンさんの特別寄稿であります。私にはとてもこのような文章を書くことはできません。すばらしい文章ですよ!この文章を読んで涙ぐんでしまうのはきっと私だけではないでしょう。松本さん、本当にありがとうございましたm(__)m。


CD5月14日:本日は2部構成です。

その1:リンクのページに下記サイトを追加しました。

キルピネン研究会

声楽家の作者によるフィンランドの作曲家キルピネンのページです。キルピネンについては私も勉強不足で知りませんでした(^^ゞ。作者の言葉を借りてご紹介しますと...。「ユリエ・キルピネンは1920年代〜1930年代において母国フィンランドはもとよりドイツ、イギリス、スウェーデンといったヨーロッパ全域、アメリカにおいて活躍をした作曲家です。
彼が最も得意とした分野は、同朋の大先輩であるシベリウスとは異なり歌曲でその才能を発揮しています。彼の作曲した歌曲は700曲を超え、歌曲王として名高いシューベルト以上ですが現在、彼の名、彼の作品を知る者はごく限られた一部の音楽学者、声楽家のみが知るところであり、これは、日本においてのみの現状ではなくアメリカ、ヨーロッパに、さらには本国フィンランドにおいても同様の現状となっています。」

このページはそんなキルピネンを包括的に紹介しようとしています。大変貴重な情報源でしょう。

さいとうのホムーページ

An die Musikの読者である、あの有名なさいとうさんのページです。さいとうさんはご存知のとおり大変おおらかで、あたたかいご性格の方ですが、ホームページ(原文ではなぜか「ホムーページ」)も案の定ほのぼのとしています。できたてのほやほやですのでコンテンツの充実はこれからでしょうね(なお、独特の雰囲気を醸し出すデッサンの数々は必見)。さいとうさん、頑張って更新して下さいね!楽しみにしていますよ!さあ、皆さん、掲示板に開店ご祝儀書き込みをガンガンしちゃいましょう!

その2:福島への旅

金曜日の晩には大酒のみ&午前様をしてしまい、更新が遅れました。「あれ?まだかな?」と思って何度かアクセスされた方が少なからずおられたようで、申し訳ございません。何とか夜の1時過ぎに更新しました。原稿は前日にはできあがっていたのですが、...。

土・日は私の田舎である福島県福島市にみずなを連れて帰っておりました。帰宅は21時半頃です。ゲストブックをずっと留守にしておりましたことをお詫び申しあげます。

福島には車で行ったのですが、行きも帰りも宇都宮近辺で大雨に遭遇しました。特に帰りは視界不良の雨の中で雷鳴が轟き、運転をしていた女房さんはおしっこがちびりそうになるほど緊張したそうです。しかもタイヤはスタッドレスをはいたままでしたから、危険この上もありません。私は視力が弱く、運転免許を取れません。したがって、運転はずっと女房さんが一人で担当しましたが、ちょっと気の毒なことをしてしまいました。かわいそうな女房さん。

さて、今週も楽しいページ作りを予定しています。田舎で英気を養ったところで仕事に、いやホームページ作りに邁進であります(^^ゞ。乞うご期待!


CD5月12日:読書と音楽

先日の日経新聞に、天才バイオリニストと噂の庄司沙也香さんの記事が出ていました。新聞には、彼女が大変な読書家であると書かれていました。何でも愛読書は夏目漱石と加藤周一だとか。高校1年生にしてはずいぶんと難しいものを読むなあ、と私は感心しました。漱石は名文家ですし、読みやすい小説もありますから、さもありなんと思いますが、加藤周一は結構ハードですね。代表作の「羊の歌」をはじめ、「日本文学史序説」なども読んだりもしているのでしょうか。愛読書が夏目漱石と加藤周一というのは意外でしたが、私だって昔そうした本を読んでいたわけですから、いかにも賢そうな庄司さんが読んでいたって何もおかしくありませんね。ちなみに、音楽家でいえば、アバドが無類の読書好きで、読書に対する情熱を滔々と語ったりすることはよく知られているようです。私も活字マニアですから、時間があれば、できるだけ本を読んでいます。

なぜ読書は楽しいのでしょうか。活字が羅列してあるだけの本が、どうして人を夢中にさせるのでしょうか?おそらく活字が、想像力をかき立てるからでしょう。映像は視覚的効果が大きく、瞬時に何かを訴えることができますが、映像は映像で、目にしたもの以上にはなりません。しかし、活字の場合は、いくらでも想像の幅を広げることができます。え?そんなことはない?いえいえ、そうなんです。嘘だと思ったら、トルストイの「戦争と平和」でも読んでみるといいです。この壮大な歴史絵巻には、膨大な活字が並んでいます。読者は、どの場面も鮮やかに情景が思い浮かべられるし、ナポレオン戦争の渦に引きずり込まれ、怒濤の歴史を肌で感じることさえできるはずです。読み始めれば、興奮の絶頂に達すること間違いないでしょう。一方、ハリウッドで制作された映画の「戦争と平和」は、莫大な資金が投入されただけあって、豪華絢爛な映像を現出しました。美男美女も入り乱れ、すごい映像です。が、小説を読んだ後には、いかにもスケールが小さく感じられて、とてもつまらなく感じたことがあります。「想像力をかき立てる」という点においては、活字に優るものはないかもしれません。

では、音楽はどうでしょうか。かなり想像力をかき立てられますね。もちろん、ジャンルによります。例えば、オペラのように歌詞までついている場合は、歌詞が内容を説明していますから、それを大きく逸脱した想像を働かせることは難しいでしょう。が、交響曲や室内楽など、全く抽象的なタイトルを持つジャンルにおいては、無限に近い想像力を働かせることができます。例えば、マーラーの交響曲第6番を聴いて、あなたは何を感じますか?あるいはベートーヴェンの弦楽四重奏曲第14番ではどうですか?人によっては全く違う何かを感じ取りながら聴いているはずです。それは交響曲や室内楽が抽象的な音楽だからこそ可能なのではないかと私は思っています。

日本ではオペラハウスがほとんどないに等しいために、クラシック音楽といえば、交響曲を始めたとした抽象的なジャンルが鑑賞の対象となっています。私は、確かにこれが日本の特殊な状況のためだとは思いますが、悪いことだとは思いません。抽象的な音楽世界の中で想像力を刺激され、音楽から何かを感じ取るという鑑賞方法は、もしかすると最も楽しく、奥が深いクラシック音楽の鑑賞方法なのではないか、と最近思い始めています。いかがでしょうか。


CD5月11日:CD試聴記にこんな曲を追加しました。これはスメタナ作曲「わが祖国」聴き比べの番外編ですね。


CD5月10日:CDジャケット

昨日の「クーベリックのページ」では歴史的ライブ録音として名高いチェコフィルとの「わが祖国」を取りあげました。画面を開いてみて「これは何だ?」と思われた方はいらっしゃいますか?いらっしゃるでしょうね。この録音では、一般的にはDENONから発売されている国内盤のジャケットの方が有名でしょう。輸入盤より国内盤がお薦めかもしれません。何となれば、CDジャケットに使われているクーベリックの指揮姿が印象的でグーo(^o^)oだからです。

CDについての印象は、演奏内容もさることながら、そのジャケットに左右されることがあります。演奏はジャケットと連動して記憶されます。私の場合、それが顕著でしたので、ホームページにもCDジャケットの写真を貼り付けたのです。

私の知っている限り、最も印象的な音盤ジャケットはカール・ベームがウィーンフィルを指揮したブルックナーの交響曲第4番「ロマンティック」のLP・CDのものです。LP時代は、あのジャケットが好きで好きでたまらず、LPを聴かずとも眺めているだけで幸せだった記憶があります(え?危ないやつだ?)。ある日、訳ありで高校にLPを持っていったところ、オケをやっている連中に目敏く発見され、引っ張りだこになっていました。誰がどこから見ても「おっ、ベームのブルックナーだ!」と識別でき、しかもそれらしい仕草をしているベームを見ておりますと、いい演奏に思えてしまいます。もちろん、LP及びCDの印象はいまだに強烈ですから、他のジャケットが使われるなど、もってのほかだと私は思います(なお、あの写真は必ずしもブルックナー演奏時のものではないらしいですね)。

CDジャケットはまさしく「コンパクト」なものですから、ジャケット自体を鑑賞することはLP時代と違って少し無理があります。が、優れたCDジャケットなら、演奏内容まで立派に思えてくるから不思議です。その意味では、汗みずくになって指揮をするクーベリックの姿を捉えたDENONの国内盤はマーケティング戦略として大成功でしょう。私は少しでも安いCDを買おうと、輸入盤を入手してしまいましたが、本国チェコで生産されたCDジャケットを所有しながらも、なお国内盤に惹かれるものがあるので悩んでしまいます。DENONさん、どうしてもっと安く発売してくれなかったんでしょうねえ?

最後に。皆さんのお好きなジャケットはありますか?私の場合、上記ベーム&ウィーンフィルのブルックナー以外には、ヴァントがリューベックで北ドイツ放送響を指揮したブルックナーの8番(指揮姿ではありませんがそれっぽい)や、ショルティがシカゴ響を率いてウィーンで録音したマーラーの8番(こちらは大編成オケが壮観)、リヒテルによるシューベルトのピアノソナタ第21番(何となくしみじみ)などがあります。


CD5月9日:「クーベリックのページ」にスメタナの「わが祖国」聴き比べ最終回を追加しました。今回はチェコフィルを指揮した歴史的なライブ録音です。が、私はこんなことを書きました。皆様と大きく意見が異なるかもしれませんね。いかがでしょうか?


CD5月8日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その3 クリーブランド管編>の後編を追加しました。


CD5月7日:コンサートは始まっている!

八戸帰りの伊東です。八戸は雨で、しかも気温が低く、あまり「ゴールデンウィーク」らしくありませんでした。が、八戸で桜を見られたことはよかったです。満開を過ぎ、散りはじめていましたが、大変きれいでした。一方、関東は晴天続きだったようですね。寒い八戸からこちらに帰ってきてみると、半袖の人が街を闊歩しているので驚きでした。日本列島の気候差は本当に激しいです。

さて、ゴールデンウィーク前のことですが、5/2はかつしかシンフォニーヒルズに「ペーター・ダムリサイタル」を聴きに行って来ました。私の勤め先は5:30が定時です。周囲の目を気にしつつ、5:38には会社を脱出し、会場に急行しました。が、急行したわりには、埼玉の奥地からかつしかシンフォニーヒルズには2時間半もかかりました(自分でもびっくり!)。会場に着いたときには前半のプログラムがほぼ終了していました(T_T)。仕方なく私は一人でコーヒーを飲み、後半のプログラムが始まるのを待ちました。

ところが、今度は席がありません! 前売り券が売り切れたことは知っていたのですが、シンフォニーヒルズでは当日券も発売したため、立ち見が20名ほど出たのです。立ち見が出るということは、前半に席を確保できなかった人は、後半も立ちっぱなしということです。というわけで、2時間半かけて会場に行った挙げ句、後半のブラームスしか聴けず、しかも立ち見という仕儀になってしまいました。やはり平日のコンサートはしんどいです。もっとも、ダム先生もご老体でありながら立って演奏されていらっしゃるわけですから、あまり文句は言っていけません。

さて、演奏ですが、大変すばらしいものでした。曲目はブラームスのホルン三重奏曲です。ダム先生は60歳を過ぎていますから、技術的にはほとんど期待していなかったのですが、その期待を大きく裏切る熱演で、とても柔らかなペーター・ダム・サウンドを堪能できました。ダム先生はかなりノリノリだったようです。いかにもライブらしい大熱演となりました。前半のプログラムの出来はともかく、これはすばらしい出来です。第4楽章でやや息切れしていたという話も聞きましたが、私は大満足です。他の方々も大喜びだったようで、盛大な拍手がずっと続きました。ダム先生もご満悦の表情でした。遅れて会場に入ってもあの演奏が聴けただけで◎であります。これなら、もしかするともう一度くらいは来日してくれるかな?と期待したくなりますね。

やっぱり生はいいですね。次は5月21日に北ドイツ放送響を聴きに行きます。今度は日曜日ですから、いくらなんでもゆっくり座って聴けるでしょう。


CD5月2日:CD試聴記に<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その3 クリーブランド管編>を追加しました。

なお、明日から3日間、女房さんの実家、青森県八戸に行っております。法事及びみずなのお披露目をするためです。従いまして、今週いっぱいは更新はお休みさせて下さいm(__)m。ただし、八戸へはノートパソコンを持っていきますので、Eメール対応やAn die Musikゲストブックへの書き込み対応はいたします。

では、ゲストブックでお会いしましょう!


CD5月1日:CD試聴記<短期企画「名門オケに聴くリング管弦楽曲抜粋盤」その2 ベルリンフィル編>に「カラヤンのハイライト集について」を追加しました。

古いCDです。国内盤も輸入盤も現役盤としてあるかどうか分かりません。何卒ご容赦下さいm(__)m。


(An die MusikクラシックCD試聴記)