ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2002年8月

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CD8月19日:昨日の試聴記に「余録」を追加しました。ご笑覧下さい。


CD8月18日:「CD試聴記」を久しぶりに更新。「ゲルギエフの<シェエラザード>を聴く」を追加しました。

「CD試聴記」はAn die Musikのメインページのはずなのですが、このところさぼっておりまして、大変申し訳ありません。心を入れ替えて精進したいと宣言したいのですが、夏休みは今日でおしまい。ここから先は家族の冷たい視線と戦いながら更新を行うのであります。頑張ります!


CD8月17日:「あなたもCD試聴記を書いてみませんか」のコーナーに「ロジェストヴェンスキー指揮ラフマニノフ交響曲第2番を聴く」を追加しました。文は昨日に引き続き、Sagittariusさんです。

うーん、ラフマニノフの交響曲第2番。いいですねえ。恥ずかしながら私はロジェストヴェンスキー盤を聴いていないのですが、Sagittariusさんの文を読んでから興味津々! 困りました(^^ゞ。


CD8月16日:「私のカペレ」に「ボンガルツ指揮のレーガーを聴く」を追加しました。文は私ではなく(^^ゞ、Sagittariusさんです。Sagittariusさん、原稿ありがとうございました。続編をお待ちしておりますよ!


CD8月15日:久しぶりに「私が選ぶ名曲・名盤」を更新しました。追加したのはR.シュトラウスの「アルプス交響曲」です。


CD8月14日:レーベルの音

昨日の続きです。アンチェル指揮チェコフィルの「gold edition」シリーズは、私が勝手に思い描く古き良き時代の音を聴かせてくれます。私のようなアナクロ・ノスタルジー人間には最高の贈り物です。が、CDで聴く音が本当にそのオケの音なのかどうか疑わしいと私は思っています。

勝手な推測ですが、私どもがチェコフィルの音を連想する際には、おそらくはある程度SUPRAPHONの録音を念頭に置いていると思われます。そんなことはありませんか? これはアムステルダム・コンセルトヘボウ管の音が、PHILIPSの録音と強烈に結びついているのと同じです。カペレの場合は徳間、あるいはEMIから出ていた数々のCDがイメージを決定していたかもしれません。CDを聴いて楽しむというのは、コンサートの追体験とはかなり違ったものだと割り切ってからは私もさほど気にならなくなりましたが、私たちが聴いている、そして「これがあのオケの音だ」と思い込んでいるものは、少なからずその録音を行い、マスタリングを行った各レーベルの音なのではないかと思います。

事実、PHILIPSの録音を聴き続けてその音に憧れていた私がコンセルトヘボウ管の音をコンセルトヘボウ内で耳にしたときはその繊細で輝かしい音に驚嘆したものです。PHILIPSの音は正しくない!とつくづく思い知らされました。いかにPHILIPSが優れた録音技術をもっていても、あの音を再現はできなかったわけです。カペレにしても、私がサヴァリッシュのシューマンなどを聴いて思い描いていた音と実音には少なからぬ差異が認められます。もっとも、録音された時点と生の音を聴いた際の時間差から生じる差異は必ずあるとは思いますが。

話をチェコフィルに戻します。SUPRAPHONのCDと同様に鳴り響く録音は他にあるのでしょうか? もしかしたら少ないかもしれません。でも、それでも私はあの音を忘れられません。つい愛着を感じてしまいます。

最近、チェコフィルの録音は日本人の手によりどんどん収録・発売されていますが、特定のプロデューサー兼録音エンジニアがずっと録音に携わっています。このシリーズで聴く音は、各楽器の音が非常に明瞭に撮られ、スピーカーの前で音響を楽しむには打ってつけです。私など、「へぇぇぇぇ、こんなオケ録音が可能なんだ・・・」と唸るばかりです。発売元も自社の強みを理解しているため値段の付け方も強気で、このデフレの時代に1枚3,000円もします。私も数枚持っていたりするのですが、あまりに高価なので購入にはいつも二の足を踏んでいます(^^ゞ。

もしかしたらこの日本人の手になるチェコフィル録音の方がチェコフィルを語る際には重要なのかもしれませんが、音が*異常なほど*良すぎて(^^ゞ、私はなかなかその気になれません。皆様はいかがでしょうか? 「私が好きなチェコフィル録音」というものがあったらぜひ教えていただきたいです。 


CD8月13日:チェコフィル

CDジャケットマーラー
交響曲第1番ニ長調
録音:1964年12月、ルドルフィヌム
R.シュトラウス
交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」作品28
録音:1962年8月、ルドルフィヌム
アンチェル指揮チェコフィル
SUPRAPHON(輸入盤 SU 3666-2 011)

チェコのSUPRAPHONからすごい企画ものCDが登場しました。往年の大指揮者カレル・アンチェル指揮チェコフィルの録音を42枚のCDにしてリリースしようというものです。「gold edition」と謳っているだけに、CDは金色に輝いています。このシリーズは、興味がない人からは多分見向きもされないでしょうが(^^ゞ、私のようにアンチェルやチェコフィルに少しでも興味がある人にとっては大変嬉しいものです。ある指揮者が特定のオケを指揮した録音がこのようにまとまって発売されるというのは、あまり聞いたことがないですね。トスカニーニのNBC響との録音くらいしか私は思い浮かばないのですが? 他の指揮者、例えばミュンシュやライナーのシリーズでも42枚をまとめて、というのはなかったのではないかと思います。

さて、このマーラーですが、激烈な個所がないものの、よくまとまった演奏に仕上がっています。マーラーの曲に特別な激しさを求める向きにはきっと物足りないでしょう。が、アット・ホームな雰囲気がしていいですよ。何となく、ワルターがコロンビア響を指揮した演奏を思い出してしまいます。このように暖かいマーラーもいいものです。

それよりも、この録音に聴くチェコフィルの音色といったらたまりませんね! これは思わず病みつきになります。当時のチェコフィルはまだ独自の楽器を使っていたといいます。ラッパなど、金管楽器の吹き方に特色があり、それが時代がかって聞こえてきます。木管楽器の音色も適度に鄙びていていいですねえ。どのような楽器で、どのような奏法をするとこうなるのか素人の私には分からないのですが、現代の国際化されてしまったオケからはまず聴くことのできない響きです。第1楽章の冒頭で弦楽器のトレモロの中に浮かび上がってくる木管楽器、その音色が重なってくるあたりはこのCDの白眉といってよいでしょう。これが良質なステレオ録音で聴けるのですから、ニンマリしてしまいます。

最近チェコフィルの新録音は日本のレーベルから大量にリリースされていますが、そちらで聴くチェコフィルは、このCDで聴く音とは較べようもなく洗練されていますね。機能的で、洗練されている方がいいのかもしれませんが、私のような天の邪鬼は、こちらの録音、音色に大きく惹かれます。古き良き時代の音を聴かせてくれるといったら言い過ぎなのでしょうか? このCDの余白に収録されている「ティル」も秀演です。これを聴くと、60年代にチェコフィルは極めて高い演奏水準を維持していたことが分かります。

こうなると、42枚のラインナップが気になってくるところです。残念ながらブルックナーは1曲もありませんが、アンチェルのレパートリーはとても広く、それらが非常に優れた音質で楽しめるとなると言うことなしですね。マーラーについては交響曲第9番のリリースも予定されているようです。早く聴いてみたいですね。


CD8月12日:こんなところで?

先頃DENONから発売されたCREST1000シリーズ。1枚1,000円なのでこれまでなかなか手が出なかったCDを買うチャンスです。この間私が買ってきたのは次のCDでした。

CDジャケットテレマン
無伴奏フルートのための12の幻想曲
ジャン=ピエール・ランパル
録音:1972年10月30日、埼玉会館大ホール
DENON(国内盤 COCO-70461)

夏場に暑っ苦しい曲はご免だという人はいませんか? それならテレマンのこんな曲がいいんですねえ。何と言っても、世界最高のフルート奏者が自分一人のためだけに目の前で演奏してくれているような気にさせてくれますから。このCDでも、ランパルの息づかいがはっきり収録されていて、臨場感は抜群です。まさに王侯貴族の気分を満喫できます(^o^)。

やたらとマイクが近いように感じられるこの録音ですが、1972年にDENONは既にデジタルで行っています。立派なものです。が、しかし、どうして埼玉会館で? この埼玉会館というのは、現在の我が家から歩いて10分ほどのところにある、いかにも地方の公会堂といった類の建物です。私はここの音響が良いと思ったことは一度たりともありません。多分、設計も音響効果は2の次になっているはずです。そのような余裕があったとはとても考えられないからです。

かのランパルが、このような片田舎の貧しい音響のホールで、世界最先端のデジタル技術を使ってバロック音楽を録音したというのはとても興味深いです。フルートとマイクはかなり近い場所にあったと想像されますが、私はこのような録音が嫌いではありません。上記のように臨場感を楽しめるからです。これはこれで名録音なのだと思います。DENONのスタッフがどうして埼玉会館で収録したのか分からないのですが、あんなホールでこのような素晴らしい録音が行われたのかと思うと、埼玉会館の前を通る際も見方が変わってくるというものです。

ところで、この曲は、1989年に我が有田正広さんが同じくDENONに録音をしています。私の愛聴盤は有田さんの録音でした。ランパルは現代のフルートで演奏しているのに対し、有田さんは古楽器、それも1725年頃に制作された楽器を使って演奏しています。また、日本人である有田さんはアムステルダムのヴァールス教会で録音していますが、フランス生まれのランパルは極東の埼玉会館で録音しています。条件がまるで異なるこれらの録音を聴き比べするのもとても楽しいです。皆様もお試しあれ。


CD8月11日:また買ってしまった!

ケンペがシュターツカペレ・ドレスデンを指揮した「英雄の生涯」のCDが再発されました。art方式によるリマスタリング盤です。店頭で見かけたのでつい買ってしまいました。

CDジャケットR.シュトラウス
楽劇「サロメ」から「7つのヴェールの踊り」
交響詩「死と変容」作品24
録音:1970年6月13-24日
交響詩「英雄の生涯」作品40
録音:1972年3月26-30日
ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン
EMI(輸入盤 5 67892 2)

有名な録音ですから、この録音を何らかの形で持っている方は少なくないでしょう。私もこの曲のCDを4種類持っています(^^ゞ。フランスEMIの輸入盤(2枚組)、イギリス?EMIの輸入盤(3枚組)、東芝EMIの国内盤(ボックスセット9枚組)、そして今回のartリマスタリング盤であります。このように同じ音源のCDを次々と買ってしまうのは、女房から見ると全く馬鹿馬鹿しいことらしいのですが、それなりに価値があるのですよね。事実、この4つのCDはそれぞれ音が違うのであります。違うということが分かっているので買ってしまうのであります。

今回もこのart盤を聴いて「えっ?」と思うくらい違っていたのでびっくりです。とてもすっきりし、上品なサウンドに仕上がっているではありませんか! スマートとも言えるかもしれません。これだけすっきりしてしまうと、演奏もすっきり・さっぱりし、薄味のように感じられてきます。が、ケンペの「英雄の生涯」は決して薄味ではないのです。少なくとも、他のCDで聴いた場合はかなり豪放で、力強い演奏をしているはずです。今までホルンセクションがバリバリ鳴りまくっているのを気持ちよく楽しんできた私としては金管セクションがちょっと遠くで鳴っているように聞こえるart盤に少なからぬ違和感を感じます。例えば、よく見かける3枚セット輸入盤(下のCDジャケット参照)に含まれる録音やフランスEMI盤ではホルンはバリバリ鳴っていますので、私はニンマリしています。

CDジャケットKEMPE CONDUCTS R.STRAUSS-1
EMI(輸入盤 0777 7 64342 2 3)


東芝EMIのボックスセットでは全曲がHS2088方式によるリマスタリングが施されています。音質は他の輸入盤に及ぶべくもないと感じていましたが、art盤よりはホルンの鳴りっぷりがよく聞こえます。一番豪快な演奏に聞こえたのはフランスEMIのCDでした。

さて、では、どれが最もカペレの音と演奏を忠実に再現しているのか? これが問題です。ホルンの音があまりバリバリ聞こえないからといって、そのCDにダメ盤の烙印を押すわけにはいかないのです。もしかしたら最新のart盤が1972年にケンペが聴いたカペレの音を最も忠実に再現しているのかもしれないのです。こうしたことまで考えさせられるからこそ、ついつい新リマスタリングのCDが出ると買ってしまうわけですが、これは単にEMIの術中にはまっているだけなのかな? 皆さんのご意見もぜひお聞かせ下さい。


CD8月5日:アクセス40万件達成!

お陰様でAn die Musikのアクセスが40万件に達しました。皆様、誠にありがとうございます。このところ、まともにCD試聴記を更新していませんし、大変恥ずかしく思っているのですが、そのような状況下でも変わらぬご愛顧をいただき、本当に感謝しております。

本来なら40万件記念企画などを開催したいところですが、無為無策がたたって、何もできませんm(__)m。ただただ恥じ入るばかりであります。もう少し心を入れ替えて更新に力を入れていきたいと考えておりますので何卒ご容赦下さい。・・・50万件の際には、大々的に記念企画をやりたいものです。


(An die MusikクラシックCD試聴記)