ARCHIVE OF WHAT'S NEW?
2003年11月

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CD2003年11月27日:コンサート終了す。

今日は浦和の埼玉会館に出かけてきました。ベルティーニ指揮都響によるマーラーシリーズ第8回であります。演目はマーラーの交響曲第10番から「アダージョ」、それと交響曲「大地の歌」です。ソリストはメゾ・ソプラノにスーザン・プラッツ、テノールにヨルマ・シルヴァスティでした。

感想はといいますと、「・・・」なのであります。特によかったわけでもないし、ひどかったわけでもありません。いくらベルティーニでも、こういう日はあるんですね。都響は十分に力演していたと思うのですが・・・。

さて、私にとって今年のコンサート通いはこれにて終了です。年間に何回行けたのでしょうか? ちょっと寂しい回数ですが、仕事をしつつ、コンサートに、特に都心のコンサートに出かけるのは大変な気力・体力が要るものです。かといって、コンサートを全く無視するわけにはいきません。CDでもクラシック音楽は楽しめると私は思うのですが、アンプ及びスピーカーを通して鑑賞されることを作曲家は意図していないはずですから、生で鑑賞することは重要です。

今年は室内楽のコンサートに数多く行こうと決心していながら、結果的にはそうなりませんでした。来年はどうかな? 4月にまたシュターツカペレ・ドレスデンが来日するので、オーケストラ熱が高まりそうです。


CD2003年11月25日:トースター?

今日は埼玉県川口市にある川口リリアホールに行ってきました。あのキーシンが来たのです。演目は以下のとおりです。

シューベルト:ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D.960

休憩

シューベルト/リスト編曲

リスト

私はかつてキーシンの「展覧会の絵」をCDで聴いたとき、【「このような天才と同時代に生きている。この天才の演奏を、運が良ければ一生聴いていられる」という幸福感に包まれる。】とやや大げさな表現を用いた感想を書いたのですが、その感想は今も変える必要がないと思っています。その天才がわが埼玉県にまで来てドイツもののプログラムを組んでくれました。すばらしかったです。アンコールを含めて、聴衆は熱狂しました。

舞台に現れたキーシンはひょろっとした色白の青年ですが、ピアノを弾き始めるとただの青年ではなくなります。どのような超絶技巧などものともせず、涼しい顔で弾ききってしまいます。彼がいわゆるヴィルトゥオーゾであることは間違いないでしょう。私の周囲を埋め尽くしたピアノ弾きと思われるお姉さん達の溜息がそれを物語っています。

しかし、キーシンがすごいのは、技術的に高いレベルにあるからだけではないと私は思っています。今回のプログラムで最もすばらしかったのは、休憩後に演奏されたシューベルトの「セレナード」であります。この曲がやや遅いテンポで始められると、私はその音楽に引きずり込まれ、感動のあまりステージを直視できなくなりました。ピアノを聴いているというより、キーシンがせつなく歌っているような錯覚に陥りました。無論そのようなことはなく、キーシンはじっくりとピアノを弾いているわけですが、「歌心」の表出と呼ぶのでは安っぽくなるほどの歌を聴かせてくれました。ピアノを聴いてあのような思いに捕らわれたことはいまだかつてありません。コンサート全体の充実は言うまでもありませんが、私にとってあの1曲だけでも価値がありました。

なお、アンコールをキーシンは6曲もサービスしてくれました。曲目は以下のとおりです。演奏についてはぜひ想像してみて下さい。

今日の聴衆の熱狂ぶりを伝えておきましょう。「ハンガリー狂詩曲第6番」をキーシンが豪華絢爛に弾き終わった瞬間のこと。ホール1階の方々がまるでトースターのパンが焼けてポン!ポン!と飛び出してくるみたいにいっせいに立ち上がり、スタンディング・オベイションを始めました。その数は100人くらいに及んだのではないでしょうか。すさまじい光景でした。今まで様々なクラシックのコンサートに出かけましたが、トースターで焼けたパンのようになった聴衆の群に出会ったことはありません。ブラボーの歓声とともに忘れられない光景であります(自宅に帰ってから女房の前で再現してみたのですが、うまくできません。一体どうしてあれだけの数の聴衆がポン!ポン!と飛び出すようにして立ち上がれたのでしょうか?不思議で不思議でなりません)。

なお、これだけのコンサートを一人で聴きに行ったのはいくらなんでももったいなさすぎます。次回キーシンが来日するときは親子3人で出かけることを決意した私でした。


CD2003年11月20日:「クーベリックのページ」に「マーラーを聴く 第3回 交響曲第8番」を追加しました。たけみちゃんさん、原稿ありがとうございました。

この曲、このCDについては私もいろいろと書きたいことがありますが、今日はファイルを整備してアップするだけで時間切れです。うー、残念!


CD2003年11月19日:岩崎さんの「アメリカ東海岸音楽便り」に「違和感を拭えなかったラトル指揮ベルリン・フィルの初体験」を追加しました。岩崎さん、原稿ありがとうございました。


CD2003年11月17日:「クーベリックのページ」に「マーラーを聴く 第2回 さすらう若人の歌」を追加しました。たけみちゃんさん、原稿ありがとうございました。

ぶるるっ! 今日は今日で木枯らしが! 明日はどんな天気になるんでしょうか?

なお、掲示板にも書きましたが、埋もれてしまうので飲み会のご案内をこちらにも書いておきます。

11月21日(金)夜7時頃から伊東が銀座あたりでお酒を飲む予定です。つき合って下さる方、いらっしゃいませんか? できればささやかなオフ会にしたいと考えています。

お酒が飲めなくてもOKです。私は一人で勝手に飲んでおります。楽しいコミュニケーションの場にしましょう。

このミニオフ会に参加できそうな方は伊東まで直接メールを下さい。なお、場所は人数によって決めたいと思います。前日木曜日の朝までにご連絡をお待ちしております。


CD2003年11月16日:岩崎さんの「アメリカ東海岸音楽便り」に「フェドセーエフ指揮ウィーン響のベートーヴェンを聴く」を追加しました。

11月も半ばだというのに関東は気味が悪いほどの陽気に包まれていますね。昨年の今頃はとても寒くてブルブル震えていたのですが、ちゃんと冬になるのでしょうか? 


CD2003年11月13日:昨日閉鎖した掲示板を再開しました。多くの方からE-mailで激励のお言葉をいただきました。なお、掲示板の書き込みは一部削除して再掲しております。何卒ご容赦下さい。


CD2003年11月3日:岩崎さんの「アメリカ東海岸音楽便り」に「エマーソン弦楽四重奏団のハイドン、ショスタコーヴィッチ、ドビュッシー」を追加しました。岩崎さん、原稿ありがとうございました。

3連休は女房の田舎である青森県八戸に行っていました。年に2回しか帰らないのですが、子供は大喜びでした。

ところで、関西の方は八戸がどのあたりにあるかご存じないと思いますが、東北の中でも最も北部に位置します。真冬は強烈な寒さだそうで、元地元ッ子の女房も冬に八戸に行くことを嫌がります。そんな場所ですから、この時期には毎年冷え込み始めるのですが、今年はポカポカ陽気でした。八戸でも半袖の人がいたほどです。今年の夏は寒いほどでしたが、年間を通してみると気温が平準化されるようになっているのでしょうか? 明日からは全国的に寒くなり始めるようです。不思議な3日間でしたね。


CD2003年11月1日:開設5周年

気がつけば今日が開設5周年です。紆余曲折の日々でしたが、どうにかこうにか5年間も続けてこられたわけですね。これもひとえに読者の皆様、並びに私をサポートして下さった「コンセルトヘボウ管のページ」、「アメリカ東海岸音楽便り」、「クーベリックのページ」ご担当者のご協力のお陰であります。皆様、誠にありがとうございます!

また、あまり表面には出てこないことですが、An die Musikを支えてくださった恩人の一人としてSyuzo's Homepageのsyuzoさんがおられます。5年前、既に有名サイトであったSyuzo's Homepageが、開設したばかりのAn die Musikに真っ先にリンクを貼ってくださったことがその後ずっと影響を及ぼしました。その時の嬉しさはサイト運営者にしか分からないかもしれません。とても嬉しかったです! syuzoさんにはこの場をお借りして感謝申しあげます。

さて、開設後5年の間に私を取りまく環境も激変しました。私の職場も変わっていますし、ネット環境も大きく変貌しています。私も周囲からの干渉に嫌気がさして更新を投げ打ったこともあるなど、よくここまで続けられたと思っています。更新意欲は若干低下したものの、自分にとっても、家族にとっても無理のない頻度で更新をすると、現状に近くなるのかな、と自分を正当化するこの頃です(^^ゞ。

私のポリシーをここでもう一度確認いたします。「マニアにならないこと」(脱・マニア)です。端から見れば完全なマニアである私ですが、自分では「ただのリスナー」であると思っています。普通のリスナーにとって、CDに接するときは、「面白いか、面白くないか」「楽しいか、楽しくないか」「感動的か、そうでもないか」というようなことが分かればそのレビューとしては充分だと私は勝手に解釈しています。マニアはマニアで深い楽しみ方ができるのは百も承知ですが、そうなることによって失うことも少なくないと私は思っています。

私はこれからもこの「脱・マニア」の視点を変えることはありません。そうした観点から作られたホームページが少なかったので私はAn die Musikを立ち上げたのです。このように偏屈な私ですが、今後ともどうか見捨てずにおつき合い下さい。


(An die MusikクラシックCD試聴記)