シュターツカペレ・ドレスデンによる「英雄の生涯」録音

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■ 交響詩「英雄の生涯」 正規盤

「英雄の生涯」ベーム盤

指揮者:ベーム
バイオリンソロ:エーリッヒ・ミュールバッハ
DG(輸入盤 463-190-2)
録音:1957年2月、モノラル
録音場所:ドレスデン、十字教会
録音エンジニア: アルフレート・シュタインケ

 この演奏についてはこちらをご覧下さい。絶頂期のベームによる剛毅な演奏。モノラルではあるが演奏の力強さがそれを補って余りある。

なお、ベームの「英雄の生涯」ウィーンフィル盤についてはこちらをご覧下さい

「英雄の生涯」ケンペ盤

指揮者:ケンペ
バイオリンソロ:ペーター・ミリング
EMI(輸入盤 5 67892 2)
録音:1972年3月26-30日
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音エンジニア: クラウス・シュトリューベン

 2004年5月現在、輸入盤でしか入手できない。多分日本ではこの曲の名盤として一般的に認識されていないのだろう。しかし、重量感のあるオケの響きを満喫できる名演奏だと私は思う。金管楽器、特にホルンセクションがバリバリと豪快に吹いていて小気味よい。ホルンソロは、1969年に入団したペーター・ダム。そのホルンが最も朗々と鳴り渡る録音はこれ。EMIの録音も古さを感じさせない立派なもの。

なお、当録音については2002年8月11日の「WHAT'S NEW?」にコメントを載せていたのでご覧下さい。

「英雄の生涯」ブロムシュテット盤

指揮者:ブロムシュテット
バイオリンソロ:ペーター・ミリング
DENON(国内盤 COCO-75005/07)
録音:1984年9月10-14日
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音エンジニア: ホルスト・クンツェ、穴沢健明

 この演奏についてはこちらをご覧下さい。現在、我々はこの奇跡的な演奏をDENONのCRESTシリーズでわずか1,000円で入手できる。演奏の質、録音の良さ、CDの価格、どれをとっても申し分のない傑作CDである。シュターツカペレ・ドレスデンの「英雄の生涯」を追体験したいのであれば、まずこれを聴くべし。

「英雄の生涯」シノーポリ盤

指揮者:シノーポリ
バイオリンソロ:カイ・フォーグラー
DG(輸入盤 435 790-2)
録音:1991年9月
録音場所:ドレスデン、ルカ教会
録音エンジニア: クラウス・ヒーマン

 Mostly Classic 2004年2月号のインタビュー記事の中で、この録音を担当したクラウス・ヒーマンが自薦盤としてこのCDを挙げている。ヒーマンによれば、「なぜ、生前のシュトラウスがドレスデン・シュターツカペレをお気に入りで、たくさんの初演を任せたか、それがわかる演奏」とのこと。

 一方、都民劇場制作のパンフでは柴田克彦さんが、カペレの演奏の中で「あえて1枚なら録音の良いシノーポリ盤がベターでしょうか」と書いている。

 シノーポリは、宣伝文句とは裏腹に、おそらくは肉体派で、熱血演奏が得意だったと私は思っている。この「英雄の生涯」も熱血演奏で、シノーポリの燃えたぎるような演奏が聴ける。特に「英雄の戦い」はシノーポリらしい迫力ある演奏だろう。ただし、私はこのCDの演奏・録音が歴代最高とは必ずしも思っていない。

 

(2004年5月16日、An die MusikクラシックCD試聴記)